私はボディビルやフィジークにはそこまで興味はないのですが、Twitterでとあるツイートを目にしてちょっと興味を持ちました。
NPCJはギャグでやってるのかな?
今年2月にJCPのドーピング検査で陽性出した(選手の名前)が普通に出場して3位になってるんだけど。笑
建前上のアンチドーピングとはいえ、今年アウトになって処分下りたばかりの人間を出したら流石にダメだろ
※選手の名前は伏せました。
(が、普通にニュースになってます。読んでいくとわかります。)
ボディービルやフィジークなどカラダを鍛えて評価してもらう競技にはいくつか団体があり、代表的な団体が2つあります。
他にも「SSA(Summer Style Award)」や「BBJ(Best Body Japan)」などありますが、やはり人気があるのはJBBFかNPCJでしょう。
フィットネス人口の増加とともに、コンテストや大会に出場したいと思う人も増えていると思います。
私はこのような大会に出場する気が全くないので「セ・リーグ」と「パ・リーグ」のように2つの団体があるのかな?くらいに思っていたのですが、どうやら中身は相当違うようですね。
この記事では、2019年9月7日に行われたNPCJの大会「ビーフ佐々木クラシック」にアンチ・ドーピング違反者(ステロイド使用者)が出場していた件について私が思うことを書きました。
公然の秘密:NPCJではステロイドを禁止しているという体裁
フィットネス系YoutuberのSho Fitnessさんのこの動画を見たことがない方は、まずはコチラを見るとステロイドの現状がわかると思います
- 人間の筋肉の増え方には限界がある。
- その限界を超えている人が大会に出場している。
- 表向きはどの団体もアンチ・ドーピング
- 検査をしない団体もあるので、実際は使用している人もいる。
- 表面上はアンチドーピングなので使用していても公言できない。
- みんなわかっていることだけれど、言わないお約束
さて、冒頭の2団体(JBBFとNPCJ)ですが大きな違いは検査があるかどうかです。
NPCJにはドーピング検査(ステロイド検査)がない。
NPCJにはドーピングの検査がないようです。
大会のファイナリストだけでも検査すればいいのにと素人目線では思ってしまうのですが、そうもいかないようですね。
こういった競技に興味のある方にとっては「当然」のことなのかもしれません。
しかし私のような素人にとっては「驚きの事実」なのです。
「え、じゃあ、あの人気フィットネスYoutuberも?」
それはわかりません。
「検査のない大会に出場している。」ということです。
NPCJのステロイドに対する立場
NPCJはステロイドについてどのように言っているでしょうか?

我々一般社団法人NPCJは、全てのフィットネス愛好家の日頃の成果を発表する場を提供しております。
その根底にあるのは、スポーツマンシップとルール厳守、マナーを大切にする選手支援企業です。
全ての参加者が公正公明な審査を受ける為にも様々な薬物使用排除を厳守して参ります。
従って、薬物使用やそれら薬物使用を公言する者のNPCJ主催コンテスト、セミナー、イベントへの参加を一切禁止いたします。
NPCJに参加する選手達に対し、敬意と応援を引き続きよろしくお願いいたします。
「私はユーザーです。」と言っている人は参加させません!
という立場。
苦しいとはいえ検査をしていないのだから、ドーピングをしているかどうかはわからないのですよ。
明らかに筋肉の発達スピードが異常だったり、人間離れした筋肉のつき方をしていたとしても
「検査をしていないから違反者ではない」
今まではそういう体(てい)でやってきました。
しかし…。
2019年9月7日のビーフ佐々木クラシックにアンチ・ドーピング規定違反者が出場してしまった。
これまでは、暗黙の了解・公然の秘密という形でやってきた大会でした。
しかし今回、パワーリフティングでアンチ・ドーピングの検査に引っかかった選手がボディビル大会に出場してしまったのです。
つまり「明らかな違反者」が大会に出場することを許可してしまったということ。
おそらく主催者側は知らなかったはず。
NPCJはJADA(日本アンチ・ドーピング機構)に加盟していませんので情報共有などもなされていないでしょう。
日本パワーリフティング協会(JPA)と日本ボディビル・フィットネス連盟(JBBF)は加入しています。
もしJBBFの大会に出場しようとした場合は、登録段階で弾かれていた可能性はありますね。情報の共有をしていれば、ですが。
スコアボードが再アップロードされる。
実は事件(?)が起こった後、スコアボードが公開されました。
1回目にアップされたスコアボードには、アンチ・ドーピング規定違反者の名前が載っていました。
しかし2回目にアップされたスコアボードからは名前が消えています。
(※すでに1回目のもの削除されているため見ることが出来ません。)
ファイル名(URL)を見てもらえればわかると思います。
2:/judgeseat_190907-1.pdf
同名のファイルをアップロードした際に起こる現象ですね。
また、1つ目のものは(WEBキャッシュ)に残っていました。
【動画】NPCJビーフ佐々木 大会の様子 [追記]
優勝者の方が動画を残しておいてくれていました。
名前が消されたのは優勝者の方ではありません。
【動画】のちに禁止薬物が見つかったパワーリフティングの大会の様子[追記]
というか普通に時事通信で名前載るんですね。
それだけ重いってことか…。
アンチ・ドーピング違反者は全員に迷惑をかけた。
まず思うことは、「お前、よく大会に出られたな。」ということ。
NPCJは、検査はないとはいえアンチ・ドーピングを謳っています。
「だったらあの選手もドーピングしてるかもな?」
「絶対あいつもやってるって。」
と、こうなる。
私のような、公然の秘密になっているということを知らないライト層にとってはなおさらでしょう。
(まあ、勉強するいいきっかけになったのですが。)
ただ単にかっこいいカラダの人が好き。
フィットネス系Youtuberが好きで、カラダを鍛えはじめた。
そんなライト層は「ステ使ってるだけで嫌だ。」と思うかもしれません。
「どうせステだろ?」
ステなしで本気で体作りをしている人たちにとっては大迷惑。
世界で戦うためにステ使って本気で体作りしている人にとっても大迷惑。
世界のプロたちは当然ステ使っています。
言わないだけで。
特に日本では嫌われると思われる。
ステロイドには少なからず「ズルい」という側面があると思います。
普通の人間では絶対に無理な成長スピード・筋肉量を「クスリ」によって手に入れるわけですからね。
だからオリンピックやその他の大会でもドーピングの検査があります。
人間が出せる限界で戦う。それが美しいと感じる人も多いでしょう。
そういえばこの前、野球でもドーピング違反者が出て盛大に叩かれていましたよね。
特に日本では嫌われると思う理由の一つが「武士道精神をもって卑怯なふるまいをせずに、正々堂々と戦う」という気持ちを持っている人が多いと思うからです。
「武士道」の意味は、時代によっても変化しますし、様々あると思いますが「正々堂々と戦う」「ズルはしない」という気持ちは強いんじゃないかなぁ?
筋肉増強剤がYahooニュースで問題になる。
筋肉増強剤として使われている「アナボリックステロイド」で肝機能障害などの健康被害が出ているとして、厚生労働省が流通経路などの実態調査に乗り出したことが5日、分かった。
インターネットで海外から簡単に購入できるため、同省は、危険性が高いと確認された場合、輸入規制も検討する。
筋肉増強剤で健康被害か=厚労省が調査、輸入規制も検討(時事通信) – Yahoo!ニュース
【筋肉増強剤で被害 厚労省調査】https://t.co/5Xq6EW5t7p
厚生労働省が筋肉増強剤「アナボリックステロイド」の利用状況や流通経路などの調査に乗り出した。同剤は肝機能障害や生殖機能低下などの副作用があり、実際に被害も報告されているという。
— Yahoo!ニュース (@YahooNewsTopics) September 4, 2019
そんな中、Yahooニュースでも「筋肉増強剤(アナボリックステロイド)」が問題視されているというニュースが取り上げられました。
さあ、日本のフィットネスはどうなっていくのでしょうか?
選手にはステロイド使ってるかは、聞かない約束。
「公然の秘密」「暗黙の了解」としてやっているこの業界。
「だったら検査のあるJBBFの方に出ればいいじゃないか。」と思うじゃないですか。
なぜわざわざユーザーの可能性がある人と戦いに行くのかと。
疑われるだろうと。
それでもNPCJを選ぶ理由
私が調べたところでは、理由は大きく3つあるようです。
- NPCJの方が華やかな舞台である。
- NPCJの方が外で活躍しやすい。
- NPCJに好きな選手がいる。
理由1. 華やかさではNPCJ>>JBBF
JBBFは競技(コンテスト)
NPCJは娯楽(エンターテインメント)
私の中ではそんなイメージ。
NPCJは演出が非常に派手で、観客を喜ばせる方面に長けています。
まさにエンターテイメント。
JBBFもNPCJもカラダの完成度で競っていますが、より競技性が高いのがJBBFかなと思います。
理由2. 外で活躍がしやすい。
JBBFに所属していると外での活動がしづらくなるようです。
今月トレーニングセミナーやる予定でしたが連盟から連絡がありマチュア規定に反するという理由で注意をされ中止となりました。申し込みされた方々申し訳ありません。
JBBFの登録選手がJBBFの許可なくトレーニング及びポージングセミナーを開催するのは全面禁止らしいので皆さん気をつけて下さい— 今古賀 翔 (@shofitness) December 3, 2017
選手登録規定 第8条
本連盟登録選手は、本連盟が認めない選手権大会、その他の催し物に参加することはできない。尚、本連盟登録選手は、本連盟に肖像権を委託し、無許可のマスメディアやコマーシャルに参加することは認めない。アマチュア規定5条1項
自分自身の名前・写真あるいはボディビルの実績を、宣伝のために使用すること。但し、スポンサーとの契約が本連盟より文書によって承認され、その総ての金銭が本連盟に支払われ選手個人に支払われない場合はこの限りでない。引用:JBBF 競技規定
ボディビルの実績を宣伝に使っちゃダメと。
実績出してそれを宣伝に使って、セミナー開いて収益上げちゃダメと。
質実剛健・伝統的なのもいいですけれど、時代に合わなくなってきていませんか?
自分の好きな選手が出ている。
上記のこともあって、NPCJで実績を出そうとする人も多いと思います。
せっかく頑張って入賞したり優勝しても宣伝に使っちゃダメなんだからやる気出ませんよね。
パーソナルトレーナーでJBBF~大会◯位!と言っている人もいるし、どこがダメなラインかもわかりづらい。
せっかく自分で掴んだ実績を使えないなんて!
そういう事もあって、NPCJの人気が出てきて、人気選手や有名選手もどんどん育ってきているという現状です。
NPCJはどのような対応をするのかに注目
しれっとスコアボードを差し替えたNPCJ。
当該選手についてはまだ何も発表されていません。
このままなかったことにするのか。それとも処分を下すのか。
NPCJの今後の対応に注目です。また、JBBFはこれまでの旧態依然とした状態のままで行くのか。
今後のフィットネス業界がさらに盛り上がるかどうかは、この2つの団体が握っていると行っても過言はないでしょう。
ステロイドに対する私個人の意見
私は個人的には、筋力増強剤(アナボリックステロイド)を使うのは個人の自由だと思っています。
使いたきゃ使えばいい。
ただ、禁止されている大会に出たり、ナチュラルだと偽ってビジネスをしたりするのはズルいよなと思いますね。
「表向きは」とか半端なことやってるからみんなモヤモヤした感じで出場しなきゃいけないんですよね。
ステあり大会とステなし大会って言っちゃえばいいのに。
まあ、健康被害があるって言われてるものをOKにしちゃダメなんだろうけどね。
【追記】Shofitnessさんのアンチ・ドーピングに対する動画
- パワーリフティング界にもボディビル界にも迷惑をかけたとんでもないやつ。
- 大会に出た人は「違反者と関与した」とみなされる可能性がある。
- ジムでもそういった大会に出る人をお断りするシーンが出てくるかもしれない。
- 見た目や状況証拠でユーザーを断定するのはダメ。
- ユーザーがナチュラルを主張するのは嫌われる。
- ユーザーはスポーツ界では反社会的勢力バリに嫌われる。
- 安易に「個人の自由でどうぞ。」とも言えない状況になってきた。
- 違反したら出てくるな。
- 2位だった人は1位に上がるけれど、その場で優勝したかったはず。
- 気軽に手を出さないほうが良い。危険性を理解して。
- プロになりたいユーザーは金をかけて安全性を確保している。
- 1年2年で急激に大きくなっている人は「違う」人たち。
- ユーザーがスタンダードになってしまってきたので、そういう大会には出たくなくなってしまった。
私の意見とほぼ同じでビックリしました。しかしこんなにイライラしたshofitnessさんを見るのははじめてかもしれない。
アテネオリンピックで繰り上げ金メダルだった室伏広治選手を思い出しますね。
これまで精いっぱい努力して、毎日耐えて一生懸命やってきた。
このような金メダルという形で残すことができて、本当にうれしく思う。
直接表彰台で受け取りたかったのが本音だが、日本の皆さん、世界中の応援があって精いっぱい戦えた。本当に重要なのは、そこに努力していくこと。(メダルの裏に書かれた文章を引用して)金メダルよりも重要なものが、ほかにもあるんじゃないか。
真実という言葉が非常に印象に残った。
【追記】芳賀セブンのドーピングに対する動画
- サプリメント感覚でドラッグを使用しているアホが多すぎる。
- プライベートならどんどん使って結構。
- 副作用のリスクを負う覚悟を持って使え。
- ナチュラルの大会に出るな。
パワーリフティングも行っている芳賀セブンさん。
やっぱりナチュラルとユーザーを比べないで欲しいと言っていますね。
私のようになーんも知らないライト層はユーザーとナチュラルの区別つかないですからね。
最初から「ユーザー大会」と「ナチュラル大会」に分けられていたら良いのに。
参考
JBBF:(公社)日本ボディビル・フィットネス連盟
NPCJ:NPCJ – ボディビル、フィジーク、ビキニを始めとした、フィットネスを愛するアスリート支援企業
JADA:日本アンチ・ドーピング機構 | Japan Anti-Doping Agency (JADA)
WADA:World Anti-Doping Agency (WADA)
JPA:公益社団法人 日本パワーリフティング協会 | Japan Powerlifting Association
日本アンチ・ドーピング規程違反者の処分について
Twitterコメント:https://twitter.com/_s_tsk_/status/1170238464844951556
薬物違反で資格停止=パワーリフティング:時事ドットコム