私の意見

【WHO認定】ゲーム障害(ゲーム依存)とは?症状や診断基準など【徹底解説】

  • 日曜日は朝誰よりも早く起きてゲーム。
  • 帰ってきたらすぐにゲーム。誰かと喋りながらゲームしている。
  • 友達との会話はだいたいゲーム。

「うちの子、もしかしてゲーム依存症なんじゃない?」と不安に思われている方も多いかもしれません。

WHO(世界保健機関)は、2019年5月25日に「ゲーム障害」を新たに「精神疾患」として認定しました。

この記事では、ゲーム障害とは何か。どのような症状か。その診断基準や治療法など詳しく説明していきます。

興味がある方は読んでいってください。

ゲーム障害とは?その症状や診断基準

WHOが2019年5月25日に精神疾患と認定

WHOが2019年5月25日に、ゲーム障害を新たな依存症に認定したことでニュースになりました。この改定は、2022年1月に有効になります。

スマートフォンなどの普及で、世界各国でゲームに夢中になりすぎてしまう人が急増しているようです。

スマートフォンだけではなく、家庭用ゲーム機(任天堂のWiiやSonyのPS4・MicrosoftのX-BOX)やパソコンのゲームでもこのゲーム障害は起こりえます。

うちの子1日中ゲームをしているのだけれど、ゲーム障害じゃないか?

と不安になる方も多いと思います。私も子供の頃はゲームをやりすぎて怒られてものです。
WHOはどのような症状を「ゲーム障害」としたか、確認していきましょう。

症状

What is gaming disorder?

Gaming disorder is defined in the 11th Revision of the International Classification of Diseases (ICD-11) as a pattern of gaming behavior (“digital-gaming” or “video-gaming”) characterized by impaired control over gaming, increasing priority given to gaming over other activities to the extent that gaming takes precedence over other interests and daily activities, and continuation or escalation of gaming despite the occurrence of negative consequences.

WHO | Gaming disorder

簡単な要約
  • ゲーム障害はICD-11(国際疾病統計と関連する健康問題の統計的分類)の第11改定で定義された。
  • テレビゲームやデジタルゲームでの行動パターンのこと。
  • 日常生活や他にやることがあるのにもかかわらずゲームの時間を制御できない状態。
  • 何か問題(悪い影響)があろうが、ゲームを続けてしまう状態。

診断基準・定義

For gaming disorder to be diagnosed, the behaviour pattern must be of sufficient severity to result in significant impairment in personal, family, social, educational, occupational or other important areas of functioning and would normally have been evident for at least 12 months

WHO | Gaming disorder

日常生活よりもゲームを優先させすぎて、個人、家庭、社会、教育、職業など重要な場面おいて重大な障害をもたらす状態が12ヶ月(重症の場合はもっと短い)続いた場合、ゲーム障害と診断される。

12ヶ月=1年だそうです。結構長いですね。

子供の場合で置き換えると、学校に行かずに家に引きこもってずっとゲームをしてしまう子はゲーム障害と認定される可能性があります。

ゲームを優先させすぎて宿題が終わらない状態がずっと続くようであればゲーム障害となるかもしれません。

とはいえ、WHOも「ゲーム障害となる割合は非常に少ない」としているように、「ゲームが好きな子」程度ではゲーム障害とは言えないでしょう。

中高生の7人に1人に、ネット依存の可能性:厚生労働省

厚生労働省研究班(代表・尾崎米厚(よねあつ)鳥取大教授)は31日、病的なインターネット依存が疑われる中高生が5年間でほぼ倍増し、全国で93万人に上るとの推計を発表した。

中高生全体約650万人の7人に1人に当たる計算となる。特に女子の割合が高い。スマートフォンを使ったゲームや会員制交流サイト(SNS)の普及が背景にあると考えられ、対策強化が求められそうだ。

引用:東京新聞:ネット依存 中高生の14% 厚労省推計 5年で倍増の93万人に:社会(TOKYO Web)

これは2018年9月1日の記事ですが、7人に1人がネット依存の可能性があるのだとか。今の子たちはスマートフォンが手放せませんからね。私たち大人もですが…。

研究班は、実際はもっと多いのではないかとしていますので、子どもたちにスマートフォンをもたせる際には十分に気をつけたいものです。

大人もゲーム障害になる

ゲーム障害は何も子供に限ったことではありません。大人もゲーム障害になりえます。

実は近年30代~40代のゲーム依存者が増えているのだとか。

ゲーム障害の背景・治療法と対策について

治療と対策
WHOが認定したICDには、ギャンブル、アルコール、薬物依存などもあります。

ゲーム障害の背景には他の依存症と同様に他の原因、根底には「生きづらさ」があるのではないでしょうか。

  • 家庭環境
  • 過度なプレッシャー
  • 勉強や仕事にがんばっても充足感が得られない
  • 将来への不安
  • 休日をのびのびと過ごす体力や余裕もない
  • 学校・職場でのいじめなど…。

ゲームに依存してしまう背景には、こうした心の苦痛を忘れるためや、達成感・仲間との絆を感じたいという欲求からゲームを続けてしまうということもありそうです。

韓国でのゲーム規制

韓国はネットゲーム大国として有名ですが、ゲーム規制がかなり厳しいものとなっているようです。

韓国は日本以上に受験などが厳しいようですね。そのプレッシャーも相当なもの。親からの期待も凄まじいのだそう。

ゲームの世界はそんなプレッシャーを忘れさせてくれるものなのかもしれません。ゲーム規制であまりに締め付けた結果、どのような事態になるのか全く予想ができません。

何でも禁止にすればよいのでしょうか?

高橋名人のゲームは1日1時間は正しかった。

ゲームの達人高橋名人の「ゲームは1日1時間」というフレーズ。

私も子供の頃に親から「1日1時間にしなさい!」と言われたものですが、この1日1時間には続きがあります。

ゲームは1日1時間。外で遊ぼう元気良く。僕らの仕事はもちろん勉強。成績上がればゲームも楽しい。僕らは未来の社会人

子どもたちに対して「1日1時間まで!」と縛り付けるだけでなく、やるべきことをやってからゲームをするというルール作りや他の楽しみを見出すように方向づけてあげることが、ゲーム障害の対策となるのではないでしょうか。

ゲーム障害チェックリスト

ゲーム障害チェックシート
ゲーム障害かどうかをチェックする為のリストが700万円の課金地獄…中年[ゲーム依存症]が急増中(週刊SPA!) – Yahoo!ニュースに掲載されていましたので引用させていただきます。

ゲーム依存症チェック

過去1年間の状態を振り返って最も当てはまる数字を選んでください

① まったくない ② あまりない ③ ときどきある ④ 頻繁にある

  1. ゲームに熱中し、他のことをしているときも頭から離れず、ついそのことを考えてしまう
  2. 1日でもゲームがやれないと落ち着かなかったり、イライラしたり、怒りっぽくなったりする
  3. ゲーム時間が長くなり、休みの日やその前日には8時間以上、週に30時間以上やり続けてしまう
  4. ゲームをやめよう(減らそう)と思っても、自分の意思ではやめられず、ついやりすぎてしまう
  5. ゲームに熱中するようになって、これまで好きだったことや趣味に関心がなくなった
  6. ゲームのやりすぎで、生活や健康に問題が生じているとわかっているのに、やりすぎてしまう
  7. ゲームをプレイする時間のことで、家族や周囲の人に本当のことを言わないことがある
  8. 嫌な気分から逃れようとしたり、紛らわそうとして、ついゲームをすることがある
  9. ゲームを優先する結果、家族や友人との関係をおろそかにしたり、仕事や勉学を怠ったりする

[判定の方法]
④に当てはまるとき、その診断項目に該当するとみなす。5項目以上④に該当する場合、ゲーム依存の疑いが強いと判定され、専門的な診断と治療が必要。

その基準に達しなくても、1項目でも④に該当する項目がある場合や、③が5項目以上ある場合は、予備軍といえる。このままの状態が続くと、依存症に移行する場合もあるので、十分注意が必要だ(岡田医師監修)

ゲーム障害になりやすいゲームはある?


ゲーム障害と聞いてパッと思い浮かんだ動画がこれ(笑)懐かしい。

これが実は演技だったっていうんだから驚きです。

ゲームのジャンル

さて、ゲーム障害になりやすいゲームのジャンルはあるのでしょうか?

どのゲームでも依存症になり得るとは思います。テトリスを延々とやり続ける人もいます。

これは私個人の考えですが、「MMORPG」・「MMOFPS」・「MMOTPS」などの多人数参加型のオンラインゲームは、ゲーム依存になりやすいと考えます。

MMOとは

Massively(大規模)Multiplayer(多人数型)Online(オンライン)の略。

多くの人が同時接続をして遊ぶオンラインゲームのこと。

RPG:ロールプレイングゲーム。ドラゴンクエストやファイナルファンタジーのように、世界を冒険して回るジャンル。

FPS:ファーストパーソンシューター。基本的には銃で撃ち合いをするゲームで1人称視点のもの。

TPS:サードパーソンシューター。基本的には銃で撃ち合いをするゲームで3人称視点のもの。

最近では「スプラトゥーン」「荒野行動」といったゲームが人気でしょうか。

小中学生男子のお母さんの頭を悩ませているゲームかも知れませんね。女子でも頭を抱えているかもしれませんが(笑)

スプラトゥーン・荒野行動禁止の小学校もある

近所の小学校ではスプラトゥーンや荒野行動など、銃で撃ち合いをするゲームを禁止しているのだとか。学校で禁止はすごいですよね。

荒野行動のCERO(年齢制限)はD(17歳以上)ですから、道理はわかりますが、スプラトゥーンのCERO(年齢制限)はA(全年齢対象)ですから、基本的に親に買ってもらえば誰でもできる物です。

ゲームと射幸心・射幸性

また別の問題として、ゲームの射幸心・射幸性があります。

射幸心(しゃこうしん、射倖心とも)とは、人間の心理として「幸運を得たい」と願う感情の事で、その心理的な欲求を抱く状態を意味する。しばしば「幸運によって他人よりも幸せに恵まれたい」という心理状態をも含む。

射幸心と賭博行為は密接な関係にあり、日本において賭博行為が規制されている根拠は「国民の射幸心をあおるのは勤労によって財産を得ようとするという健全な経済的風俗を害する」という理由による。

私企業が行っているパチンコも三店方式から射幸心を煽るギャンブル性があるとされる。日本政府は風俗営業法の射幸心を「偶然に財産的利益を得ようとする欲心」としている。

パチンコにおいてはそのいたずらに射幸心を煽る仕組みについて、法律や保安通信協会による検定等で対策が行われているが、それでもなお一回の遊技での投入金額が高額になりやすいことが度々問題視される。

引用:射幸心 – Wikipedia

パチンコと同じだとは言いませんが、最近のゲーム性として「ガチャシステム」による課金が問題になっています。

課金ゲーム・ルートボックス「ガチャ」は別の危険性がある。

ガチャシステムと射幸心
何時間も続けてやってしまい、コントロールが効かなくなる状態がゲーム障害ですが、次にガチャを引けば自分が欲しいキャラクターが手に入るかもしれない、次は当たるかもしれないという「ギャンブル性」が問題となっています。

キャラクターの出る確率1%のガチャは100回やれば1体必ず手に入るわけではありません。

毎回100枚のクジから1枚の当たりを引かされるのです。

最近では天井(何回か引けば必ずもらえる)が設けられた物も増えてきましたが、まだまだ問題はありそうです。

ゲーム依存というよりも、ギャンブル依存に近い。

小学生のお父さんお母さん必見:ゲーム依存対策案

小学生とゲーム障害

ルール作りが基本

国レベルでのルール(法律)作りももちろん進めるべきですが、家庭でのルール作りが大切だと考えます。

「うちの子はゲームばかりしてて~。」と言っているだけで何もしないのであれば、ゲーム障害になってしまった場合、親に責任があります。

なぜならゲームは親が買い与えなければすることができないからです。

「でもみんなが持っていて、1人だけ持っていないと仲間はずれにされちゃうから…。」

その意見もわかります。ですからルールをきちんと定めるべきです。「買い与えてそのまま」で、教育しないのはどうかと思います。

学校の先生に「先生から言ってやってください」などという親もいる始末。

先生たちも頭の痛い問題でしょう。

オススメ:契約書のように、紙ベースで作る。

いきなりゲームを取り上げたり、アカウントを削除することはおすすめできません。「やりすぎることは良くない」と、本人(子供)たちもわかっています。

オススメは「契約書のように紙ベースでルールを明記する。」です。

  1. ルールは親が一方的に押し付けるのではなく、子供と話し合って決める。
  2. 課金のルールなど、子供がわからないところはうまく誘導しましょう。
  3. 破ったときの罰(ペナルティー)も子供と一緒に決める。(1ヶ月ゲーム禁止など)
  4. [重要]ペナルティーは必ず実行。
  5. 親のサイン・子供のサインを必ず書く。何ならハンコも押す。
  6. ルールを決めた日を明記する。
  7. ルールの改定もしっかりと話し合う。

子ども自身にルールやペナルティを決めさせることで、責任感が生まれます。

破ってしまった場合「自分できめたルールだよね?」と言い聞かせ、必ずペナルティーは受けさせましょう。

「本当に取られちゃうんだ。時間を守らないと。」と心の成長にもつながります。

  • 口約束
  • ルールを破ってもなあなあにする。
  • 親がルールを破っている。
  • ルールを破っても何のペナルティも無いのであれば、ルールの意味がありません。あってもないようなもの。また、親がルールを破っていては示しが付きません。

ネット上の意見

ネット上ではこの話題についてどのような反応があるのでしょうか。

Twitter上では

私の意見:どうかゲームを悪者にしないで欲しい。

ゲームを悪者にしないで
さて、ここからは私の意見を少し述べさせてもらいたいと思います。

私は昔からゲームが好きでした。ゲームと共に育ってきましたし、ゲームから教わったこと・感動したこと・友達と仲良くなったこと。いろいろとありました。

それこそ小学生の頃友達の家に泊まりに行って、夜通しゲームをすることが楽しみでした。ギャーギャー騒いで怒られました。今となっては、いい思い出です。(笑)

どうかゲーム自体を悪者にしないでもらいたい。

お酒好きとアルコール依存症は別物

例えば依存症に「アルコール依存症」というものがあります。普通にお酒が好きな人もいます。

「お酒」が悪いのでしょうか?

宝くじや競馬の射幸性はどう?

ゲームの射幸性が問題ならば、競馬や競輪・宝くじはどうでしょうか。

これから始めようっていう「カジノ」はどうなるのでしょうか?

次は当たるかもしれない、もっと大きな利益が戻ってくるかもしれない。

国が関わっているギャンブルは良いのでしょうか?

eスポーツの萎縮につながらなければ良いのだが。

e-sport
最近ではeスポーツの話題が少しずつ取り上げられるようになってきました。

eスポーツがスポーツであるかどうかという議論は今回は置いておくとして、やっと盛り上がりを見せてきたこの分野を潰してしまうのは、非常にもったいないと思うのです。

世界のGoogleやAmazonだって、ゲーム業界に参入してこようとしているのです。「これから伸びる業界だ。」と判断してのことでしょう。

Googleの新ゲームサービス「STADIA」がヤバすぎる8つの理由 +読み方のお願いGoogleがゲーム業界に殴り込み!クラウドゲーミングサービス「STADIA」(ステイディア)が発表されました。STADIAの何がヤバイのかを見ていきましょう!...

また、eスポーツは障がいのある人たちにも希望を与えてくれています。

eスポーツに目覚めた障害者たち|けさのクローズアップ|NHKニュース おはよう日本

部活バカやスポーツバカと違うの?

部活バカ
誰よりも学校に早く来て、朝練をし、夜遅くまで練習して甲子園へ…。

こういった「スポーツ」は美談とされる傾向があります。私が通っていた学校も甲子園に出場したことがありますが、(私の代ではない)野球部の友達は授業中にウトウトしたり、寝てしまっていました。

そんな友人も今では立派に社会人をやっています。

寝ても覚めても野球漬けの生活は、野球中毒とは言わないのでしょうか。

それこそ「仕事障害」では?

  • 仕事の頻度や勤務時間などのコントロールができない
  • 日常生活や他の関心ごとよりも仕事を優先する。
  • 問題が起こっても仕事をやめない。
  • 個人、家庭、社会、教育、余暇など重要な場面おいて重大な障害がある状態が12ヶ月以上続く

仕事が悪者なのでしょうか?違いますよね。

ゲーム中毒・ゲーム依存症はSOSのサイン。

ゲーム障害・ゲーム依存を治療・回復するためには、「なぜゲームばかりにとらわれてしまうのか」という根本的な部分を解決しなければなりません。

他の依存症と同じです。

  • なにかツライことがある。
  • 人に言えない悩みがある。
  • 実はいじめられている。

本人も「このままではマズい」という気持ちはあるケースが多いと思います。

ゲームに依存してしまう環境を改善していくことが、ゲーム中毒を治療する方向に向かっていくのではないかと思います。

余暇に好きな趣味(ゲーム)を思い切り楽しむことはゲーム依存ではありません。

大人の場合は自分でコントロールを。子供に対しては大人が上手に対処して。それでも難しそうならば、専門機関を頼ることも考えるべきです。

「ゲームは悪」とならないことを願います。

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