「ファスティング」という言葉は、以前よりも世間一般に普及し始めましたね。
少し前までは「断食」でした。
ファスティング(断食)と聞くと、ちょっと怖い、無理かも…。と思う人もいますよね。
- 「食べなくて大丈夫なの?」
- 「リバウンドが心配。」
- 「キツくて私には無理そう。」
でも「断食」と最近の「ファスティング」は実はちょっとだけ違うんです。
ファスティングのメリット・デメリット両方知ってもらいたい。
知って興味が湧けばファスティングに挑戦して、細くてキレイなカラダを手に入れませんか?
この記事では、ファスティングのメリットとデメリットを包み隠さず解説します。
まずファスティングとは何か。
まずファスティングとは何かを軽く説明しておきます。
「断食」と聞くと、イスラム教の「ラマダン(ラマダーン)」を想像する人もいるかも知れません。
イスラム暦で9月を意味するラマダーンに、コーランが預言者ムハンマドに啓示され、イスラム教徒にとって、ラマダンは「聖なる月」となった。
この月において、ムスリムは日の出から日没にかけて、一切の飲食を断つことにより、空腹や自己犠牲を経験し、飢えた人や平等への共感を育むことを重視する。また共に苦しい体験を分かち合うことで、ムスリム同士の連帯感は強まり、多くの寄付や施しが行われる。
断食中は、飲食を断つだけではなく、喧嘩や悪口や闘争などの忌避されるべきことや、喫煙や性交渉などの欲も断つことにより、自身を清めてイスラム教の信仰心を強める。
引用:Wikipedia
しかし、近年のファスティングは少し違います。
一切の飲食を断つものもありますが、主流は「必要最低限の栄養を取りながら行う。」ことが多いのです。
ファスティングは意味がない?デメリットは?
ファスティングは意味がないという人もいます。Voxに掲載された記事を参考にしながら見ていきましょう。
- 研究は減量ではなく、長寿・病気にフォーカスしているものが多い
- 断食をしてはいけない人もいるから
- 食べるタイミングについての最適解はわかっていないから。
- 体の水分が抜けただけじゃないか?
- 筋肉が減ってしまって基礎代謝が下がるのではないか?
- 多くの人は続かないのでは?翌日どか食いしてしまう。
それぞれの観点から見ていきましょう。
研究は減量ではなく、長寿・病気にフォーカスしているものが多い。
確かにファスティングの研究は、病気などにフォーカスしているものが多いです。
例えば南カリフォルニア大学長寿研究所のヴァルテル・ロンゴさんの行った研究では免疫系全体を再生させるといった結果が出ています。
研究が減量にフォーカスしていないからと言ってやめる理由にはならないでしょう。
しかも健康に良い結果が出ているものが多いですね。
断食をしてはいけない人もいるから
ファスティングをしてはいけない人もいます。
- 妊娠中の人・生理中の人
- 糖尿病の薬を飲んでいる人
- 肺・心臓・腎臓・肝臓・胃腸などに病気のある人
- 体重が女性:35kg以下・男性40kg以下の人
生理中のファスティングは行っても良いと書いてあるところもありますが、私は反対です。
病気関連は、医師の管理のもとであれば可能です。逆にファスティングを勧める医師もいます。
体重が極端に減りすぎている人は、逆にもっと食べるべきですね。
食べるタイミングについての最適解はわかっていないから。
これは長い研究がされていないといった意見ですね。
断食の研究は数日~1ヶ月程度。長くても3ヶ月といったスパンで行われるものが多いです。協力者も大変ですからね。
肯定的な結果が出ることが多いですが、5年・10年と長期での研究はそれほど多くありません。
また、研究対象が成人のため高齢者や子どもへの影響などはわかっていません。
確かに長期での研究が進んでいないのは気がかりな点ですが、私は5年間ずっと断食する気はありません。
必要に応じてファスティングを取り入れるスタイルで行いますので問題ないでしょう。
体の水分が抜けただけじゃないか?
一時的に痩せるのは水分が抜けただけという意見ですね。
これに関しては一理あります。
ただ、「体の水分を抜くために行う側面もあります。」
The Whoosh現象

ダイエットが進んでいくと、脂肪細胞の脂肪がなくなっていきます。しかしその脂肪細胞には水が溜まっていくのだそう。
という状態になっているということです。
なぜ脂肪細胞に水が入っているのかというと、もう1度脂肪が入ってきたときに結合するためなのだとか。
そして何かのきっかけで水がスッ抜けると、体重がグンと落ちるというワケ。
この現象を「Woosh」もしくは「Whoosh」と言うのだそうですよ。
水分と言えば:女性の場合は生理周期で体重が増える。
停滞期に悩む人は圧倒的に女性が多いです。
生理周期は体内の水分量を著しく増加させます。これはもう生物的に仕方のないことです。
女性は、1週間前から終了するまでは体重計に乗らないくらいの方がいいでしょう。
筋肉が減ってしまって基礎代謝が下がるのではないか?
筋肉が減って基礎代謝が下がるのではないか?と心配される方も多いと思います。
カロリーが足りないと筋肉が分解されて、それをエネルギー源にするという話を聞いたことがある人もいると思います。
それは事実です。本当のことです。
ですから、筋肉を落とさないようにファスティングをする必要があります。
実験1:間欠的ファスティングの場合
“American Journal of Clinical Nutrition”に掲載された論文では、次のようなタイトルで掲載されています。
「Intermittent fasting does not affect whole-body glucose, lipid, or protein metabolism」(間欠的ファスティングでは全身のグルコース、脂質、またはタンパク質代謝に影響しない。)
8名の男女に2週間のプチ断食をやってもらいました。
【結果】
通常の食事パターンとくらべて筋肉の分解量はほぼ同じだった。
実験2:期間ファスティングの場合
デンマークのオーフス大が行った実験があります。
10人の健康な男性に72時間断食してもう。
実験前と、72時間の断食後の変化を比較する。
【結果】
足および前腕の筋肉の分解スピードは変わらなかった。
多くの人は続かないのでは?翌日どか食いしてしまう。
ファスティングをしても次の日にたくさん食べてしまって、結局チャラになるどころかマイナスになるんじゃない?という方もいらっしゃると思います。
翌日のドカ食いが不安だという声もあると思いますが、その心配はありません。こんな研究があります。
24時間ファスティングをしたら、翌日の食欲はどうなるの?
18人の健康な男女を対象とした実験です。
2パターンの食事方法をしてもらいました。
- 3日間普通の食事をしてもらう。
- 1日目だけ500kcalに制限して、2,3日目は自由に食事してもらう。
【結果】
- 初日にプチ断食をしたグループは、翌日(2日目)に7%食事の量が増えた。
- 3日目には食事量は同じになった。
2日目には確かに食欲が増して、少し多め(7%)に食べてしまうけれど、3日目にはもとに戻るという結果でした。
つまり、3日トータルで考えると摂取したカロリーは減ったことになります。
翌日も我慢して低カロリーにすることはおすすめしません。
私はそれで失敗したことがあります。気をつけてください。
基本的な摂取カロリー分は食べたほうが良いです。
ファスティングのメリット
ファスティングには様々なメリットが期待できると言われています。
Youtubeでファスティングの効果を説明している、Dr. Nick Zyrowskiの動画を参考にしながらまとめていきますね。
- 整腸作用:胃腸を休める
- デトックス効果
- アンチエイジング・美肌効果
- 成長ホルモンを増やす。
- インスリン抵抗性の改善
- レプチン抵抗性の改善
- グレリンの正常化
- 炎症・痛み・病気を抑える。
- オートファジー
成長ホルモンを増やす。
成長ホルモンのはたらきは様々あります。
- 細胞の新陳代謝
- アンチエイジング効果
- 体内機能に重要なはたらき
- 正しい睡眠サイクルに効果あり
- 骨や筋肉を作るはたらき
インスリン抵抗性の改善
血糖値を上げるホルモンは複数存在しますが、血糖値を下げるホルモンは「インスリン」のみです。
肥満に関係する病気といえば糖尿病が上げられます。
糖尿病は世界中で大きな問題となっています。糖尿病の原因の1つが「インスリン抵抗性」です。
インスリン抵抗性
インスリンが分泌されても、インスリンを感知する機能が弱ってしまっているので、どんどんインスリンが分泌されてしまう状態。
インスリンは血糖値を下げるだけではなく、脂肪の蓄積や貯蓄を促進させるホルモンです。
間欠的ファスティングでは、インスリン抵抗性を改善するという論文(1)もあります。
レプチン抵抗性の改善
レプチンは食欲に関係するホルモンです。ギリシャ語の”lept(やせている)”という言葉が語源です。
レプチンは脳に「満腹」を知らせるホルモン。正常な食事量は、レプチンが教えてくれます。
肥満の原因の一つが「レプチン抵抗性」によるものだと考えられています。
レプチン抵抗性
満腹を知らせるホルモン「レプチン」が分泌されても、カラダがレプチンに慣れてしまって、満腹をなかなか感じられなくなること。
飽食の時代ですから、朝食・昼食・おやつ・夕食・夜食と食事を何度もとることで、カラダが満腹感に慣れてしまいます。
グレリンの正常化
グレリンは食欲を増やすホルモンです。胃から分泌されるホルモンで、本来は空腹で体内のエネルギーがなくなったときに分泌されます。
しかし、睡眠不足や生活リズムの乱れで本来出るべきではないタイミングで出てしまうことがあります。=偽物の空腹。
ファスティングをすることで、グレリンの異常分泌を正常化させることができるという研究(2)もあります。
炎症・痛み・病気を抑える。
何も食べず・じっとしているんです。
ファスティングには、炎症や痛み・病気を抑制する効果があります。
例えば喘息に関する研究(3)や心臓や脳の血管に良い働きをするという研究結果(4)もあります。
アンチエイジング効果
いつまでも若々しく、健康でありたいと思うのは皆さん同じはず。
ファスティングを行うことで、様々なホルモンのバランスが正常化します。
エストロゲンやプロゲステロンなどは女性と密接な関係のあるホルモンです。テストステロンや成長ホルモンなども正常化する作用もあります。
エストロゲン
卵巣で分泌され、女性らしいからだ作りを助けるホルモンです。 エストロゲンの分泌が不十分な場合、倦怠感、うつ、不眠などの精神症状が出現します。
整腸作用:胃腸を休める
食べ物の消化にはどれくらい時間がかかるかご存知ですか?
胃の中で約3~5時間、小腸の中で約5~8時間、合計で約12時間かかると言われています。
排泄されるまでは24時間~48時間かかると言われています。
デトックス効果
腎臓や肝臓などは特にデトックスに関わる器官です。肝臓では有害物質の解毒・分解を行っています。
アルコールだけでなく、清涼飲料水(ジュース)などに含まれる精製された糖分も肝臓に負担をかけています。
これらの内蔵を休めることで、カラダが本来持つ浄化作用を促すことができます。
オートファジー
2016年に日本の分子細胞生物学の大隈良典博士がこのオートファジーの研究で、ノーベル生理学・医学賞を受賞されました。
- 壊れた細胞やバクテリアをタンパク質源として利用する。
- オートファジーが働かないと:癌・糖尿病・パーキンソン病などになる可能性が高まる。
- 断食をすることでオートファジーの効果を高める。
- 病原性バクテリアなども除去するようになる。
- 断食をすることで細胞の寿命が伸びて、生み出すエネルギーが増える。
- カラダのデトックス効果が上がる
オートファジーが正常に働かないと、カラダの中ににゴミがたまり続けてしまうようなものです。
死んでしまった細胞や、有害な病原性バクテリアなどを除去してくれるオートファジー。ファスティングでその効果を高めましょう。
3種類のファスティング方法のメリットとオススメ
ファスティングは大きく3種類に分けられます。
- 期間ファスティング:1日以上期間を決めてファスティングを行う
- 間欠的ファスティング:一定間隔でファスティングを行う
- 置き換えファスティング:1食や2食など別のものにするファスティング
期間ファスティングは、ダイエットのスタート・気合を入れるとき
期間ファスティングは1日~長い人は1週間・3週間と期間を決めて行うファスティングです。
- ダイエットのスタートで気合を入れたい
- だらけてきた自分に喝を入れたい
- 短期間集中で結果がほしい(注意!)

間欠的ファスティングは、日常に取り込むファスティング
間欠的ファスティングは、1日の中で食べない時間を作ったり、1日おきにファスティングを行ったりと、その種類は豊富です。
- 食生活を改めたい人。
- 生活サイクルの中にファスティングを取り入れたい人。
- プチ断食に興味のある人。



置き換えファスティングは、安全なファスティング
置き換えファスティングは、朝食や昼食を酵素ドリンクやプロテインなどに置き換えるもの。
厳密に言えばファスティングとは言えないのかもしれませんが、安全に配慮した良い方法だと思います。
私はこの置き換えファスティングです。
- 安全にファスティングを進めたい人。
- 置き換えダイエットに興味のある人。
- 必要最低限の栄養を確保したい人。
間欠的ファスティングと重なる部分がありますが、自分が最もやりやすいもの・興味のあるものを選択することが成功の秘訣です。



ファスティングって何?メリットとデメリットまとめ
最後まで読んでいただきありがとうございます。
熱く語りすぎてこんなに長くなってしまいました。
最後に大事なポイントだけ抑えておきましょう。
- 断食と近年の「ファスティング」は少し違う。
- デメリット:万人ができるわけではない・長期の調査結果が少ない。
- メリット:痩身効果・整腸作用・自浄作用など
- 初心者にオススメ:置き換えファスティング
ファスティングは上手に取り入れれば、整腸作用や美肌効果・痩身などのメリットが期待できます。
このサイトで何度も目にするかもしれませんが「無理だけは絶対にしないこと。」


